死者の代弁者
- 作者: オースン・スコット・カード
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1990/09
- メディア: 文庫
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エンダーのゲームが面白い!とTwitterでつぶやいたら、
続編である「死者の代弁者」はオススメと言われたので軽い気持ちで買ってみた。
しばらく放置していたんですが、先日ひょんな事から読み始めたら、
これが読む手が止まらなくなるくらいの名作。ページをめくる手がもどかしい系な。
前作のエンダーのゲームは勧善懲悪モノであるので、読みやすかったんだけれども、
今回の死者の代弁者は、物語が多重構造であり、容易には読み進めさせてくれない。
読みつつは、考え、読んでは、また考えと、上下巻を一週間くらいで読了しました。
最後はお約束通り一気呵成に読了。
いやぁ世の中にはまだまだ面白い小説があるな、と痛感させられました。
感想はネタバレになるのでたたみます。
エンダーのゲームのネタバレも書いているので要注意。
続編とは言え、物語の舞台はエンダーのあの事件から3000年後という不思議な舞台設定。
エンダーの事件が伝説になった時代の物語なんだけれども、なんでこんな舞台設定にするのかな?
という疑問を解いてくれることを期待しつつ読み始める。
物語の序盤で死者が何故死んだのか?を解明する死者の代弁者と言われる人物がでてくる。
そしてその人物の正体が「エンダー」だと知った時の、驚きはもう何者にも変えられない。
(下巻の背表紙にネタバレが書いてあったのを後で見たけども、読まなくて良かったと心底思った。)
確かに光の速さで移動すればその人間は年をとらないというのはSF世界の常識では有るんだけれども、
その世界のルールを逆手にとって、3000年後の舞台にエンダーを連れてくる、という発想に驚愕した。
物語は死んでしまった2人の科学者と1人の父親が何故死んだのか?をエンダーが謎解きしつつ、
エンダー自身が起こしてしまったジェノサイドの贖罪をするというストーリーなんだけれども、
世界の人々が抱えている闇をエンダーが見事に消し去ってしまう展開は本当に見事だった。
鮮やかに死者の代弁をしつつ、自分の贖罪も果たす。
このあと続編が何冊か有るみたいだけれども、賛否両論がわかれる内容みたい。
なので時間があったら探して読んでみたいな、と思う。