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北方水滸伝(文庫版)完結


毎月1冊刊行の北方水滸伝19巻が先日完結した。

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

毎月出る文庫版を、
発売日に買っては一気読みを繰り返していたが、
19巻も発売日に即買いし読み始めた。


何時にも増して本を読む手が止まらない。
どうなるのか?どうなるのか?という疑問に対して、
これでもか、これでもか、と散りゆく好漢たち。


水滸伝の最後は儚いものだけど、
北方水滸伝の最終巻は、とにかく切ない。


読み終わった瞬間の感想を正直に書けば、
この終わり方は「個人的に」納得がいかなかった。


水滸伝」としては完結しているが、
続編が前提での終わり方で、物語が閉じていない。


いや、言い換えれば、
一つの流れは確実に止まった、
が、物語途中から出てきた新たな流れが、
最後まで語り尽くされていないのが不満、
と言った方が良いのか。


読み終わって数日経つけど、
この物語をどのように語るべきか?
未だに方向性が定まらない。


ただ「ものすごい熱い人々の凄まじい戦い」は、
ひとまず終了してしまった。


来月から、この物語が読めないかと思うと、
ものすごく寂しい。



あと、もう一つ言いたいのは、
ここまで熱い小説は現存しない!
という事。*1


読む価値が有るかと問われれば、
「間違いなく読め!」
と答えられるけど、
19巻という長さと続編前提の作品なので、
敷居が高いのは間違いのないところ。
(しかも続編は現在、未完なのが....)




ともあれ北方謙三は我々読者に、
とてつもなく熱い物語を与えてくれたと共に、
ものすごく大きな課題を残してしまった。


北方謙三は語り続けねばならないし、
我々読者は読み続けなければならない。



続編「楊令伝」は全10巻を目標に現在5巻まで刊行中。
文庫まで待つか、単行本を待つか、
それが目下の課題です。


楊令伝 1 玄旗の章

楊令伝 1 玄旗の章

<補足>

原作水滸伝と北方水滸伝の共通点は
・時代が宋の末期
・108名の好漢が登場
梁山泊(梁山湖の山塞)が本拠地
・原作エピソードを参考。
と、これくらい。


あとは北方謙三がやりたい放題(褒め言葉ですよ)
に物語を再構築し、登場人物一人一人が生き生きと暴れまくる。


主な相違点は
・時代が10年ほど前
・108人集まる前に(以下、自主規制)
・妖術の廃止(特殊機動部隊に変更)
・軍資金が略奪ではなく、「塩の道」とよばれる闇塩。
・青蓮寺と呼ばれる宋の特別組織との死闘
・オリジナル登場人物、多数登場(揚令など)
などなど。


個人的には原作水滸伝では、
あっさりフェードアウトしてしまう「王進」が
物語の重要人物として、存在し続けるのが好きでした。


あと秦明に惚れた(笑)

<個人的な水滸伝遍歴>

水滸伝の出会いは横山光輝(マンガ版)。


とにかくマンガ版のインパクトが強く、
その後だれの小説を読んでも、
キャラクターの姿は横山水滸伝になってしまう。


色黒の李逵や、目が細い呉用、ハゲの公孫勝や、
呼延灼の双鞭はムチ以外ありえない等々。*2


その後、吉川英治版(未完)を経て、
PC版水滸伝をやり、
高島俊男さんの水滸伝研究本「水滸伝の世界」を経て、
北方水滸伝に至る。


まぁ、まさか水滸伝が、
最後に、こんな物語を奏でるとは思わなかったよ。

水滸伝の世界 (ちくま文庫)

水滸伝の世界 (ちくま文庫)

*1:言い過ぎかな。あったら教えてください(笑)

*2:双鞭は棒状の武器です。念のため。