楊令伝(感想)
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/06/28
- メディア: 文庫
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楊令伝は、ずいぶん前に読み終わっていたんだけど、感想をきちんとまとめていなかったので、このあたりでまとめてみたいと思う。楊令伝は、北方謙三さんが書かれている長編小説で、水滸伝の続編ですね。水滸伝は全19巻、楊令伝は全15巻です。読み終わって改めて思うけれども長い小説でした。*1
楊令伝15巻を読み終わったときには、水滸伝を読み終わった瞬間のような感動はなくて、正直「え?これで終わり?放置された伏線が山ほど有るんだけど。。。」と、肩すかしを食らった印象があった。なので楊令伝は水滸伝のように「諸手あげておすすめ!」という風にはできない感じがあるのが正直な気持ちです。あと物語としては面白かったんだけど、もっと一段上の物語をオイラは期待していたというか。
以下、雑感を書いてみます。多少ネタバレが入ると思うので、未読の方はご注意くださいね。
雑感など
・水滸伝は金、楊令伝は銀だった。
・楊令伝は物語の柱が無かった印象。
・楊令が理想の人になりきれなかった。
・理想の国とは何か?というのは楊令一人に背負わすには重いテーマすぎた。
・理想の国のビジョンも正直、よくわからなかった。
・水滸伝の好漢が出てくると燃えるが、楊令伝オリキャラが出てきても燃えない。
・岳飛の扱いはアレで良いのか?と最後まで疑問が残った。*2
・水滸伝における「塩の道」の発想は面白いと思ったが、楊令伝における「自由市場」という発想はそれほど感銘を受けなかった。
・好漢の友情が薄い気がした。第二世代は特に。意図的なのかも知れないけれども。
・とにかくラストが唐突すぎる。あの終わり方は無いわ。
という感じでした。
いろいろと物足りない点を書きましたけど、小説としては一流だし、読んでいて面白いのは間違いないんだけど、オイラの期待値が高すぎた、というか、「もっと面白くできたでしょー北方先生!」という感じ。
ともあれ、水滸伝の読み終わった後のような感慨はなかったのがとにかく残念でした。読んでいる最中はそれなりに燃えるんだけど、読み終わった瞬間、大きな思いが心に残らなかったというか。北方先生としても、この作品は不完全燃焼だったんじゃないかな?とそんなことを思ったりもした。*3