(45日目)物語を評価するときの礼儀
ネットでとある物語について酷評している文章を読んだ。
まぁ、酷評する事自体は良く有る事なので、それは別に気にならなかった。*1ただ、その後、その物語について大絶賛する文章にいつの間にか変わっていた。「最初から面白いと思ってたんだよね」とか書いてあるし。なんだそれ?とか思ってしまった。途中まで物語を酷評していたのに最後に大絶賛っておかしくね?その辻褄合わせが、怖いな、と。
何か、クリエイターに対して、ものすごく厚顔無恥な気がするんだよね。「最初に酷評していてごめんなさい。結局良い物語でした。」というならわかる。最初は全然面白くないんだよね、とか言っていたのに、最後にそんな言葉も忘れて最初から良い物語だと思っていた、とかいうのはなんというかフェアじゃない気がするんだよね。自分の発言に対して責任を取れてないというか。
もちろん、自分の趣旨が変わるのは良くある事なのでそれ別に良いと思う。ただ、自分が最初は嫌いだと言っていたのを忘れているのはいかがなものかと思う。自分が最初に断言していたことを意図的に葬り去ろうとしていても欺瞞だと思うし、無意識に忘れているとすると、それはそれで始末が悪いと思うし。まぁ、都合が悪いことは忘れちゃうのが人間の習性だけどさ。
何にしても、「酷評していてごめんなさい」って素直に言おうよ。
そうすれば自分を偽ることもないから辛くないと思うんだよね。隠し続けるが故の腐敗臭の方が、よほども臭うし、自分自身を腐らせると思うから。
まぁ、完璧な人なんていないし、完璧さを求めている訳じゃ無いけれどさ。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: 文庫
- 購入: 43人 クリック: 461回
- この商品を含むブログ (464件) を見る
*1:ただ、酷評するにしても、クリエイターに対する最低限の礼儀は必要だと思うけど