(31日目)ドラッカー時代を超える言葉(後編)
・ドラッカー 時代を超える言葉──洞察力を鍛える160の英知(上田惇生)
前編はこちら。
(30日目)ドラッカー時代を超える言葉(前編)
昨日に引き続き、ドラッカーの言葉を引用します。いや、これ、本当に電子書籍で買って正解の本だなーと改めて思った。ふとした瞬間にiPhoneで読み直すと、本当にためになる言葉が目に飛び込んでくると言うか。
事業を成功させるには、社員が最高の仕事ができる環境をつくらなければならない。
漠然と最高の仕事が出来る環境と言われても、色々とあるなーとか思う。職場の周辺やら、職場内の什器とか、福利厚生とか、評価体制とか、いろんな事が考えられる。
組織は、世のため人のためのものである。世のため人のためのものになるとき、組織は繁栄する。
世のため人のためにならない組織は確かに繁栄しないよなーとか思った。
理想的な組織とは、会議なしで動く組織である。
これは頭がもげるくらいに首肯したい。話が好きな人が多い組織で働いていると、とかく会議が長くて空転することが多い。「必要な会議はやる」じゃなくて、「会議なし」というのが本当に良いな、と思う。
ミッションは、行動本位たるべきものである。さもなければ単なる意図に終わる。ミッションとは、組織に動く者全員が自らの貢献を知りうるようにするものでなければならない。
行動と、その結果生まれる貢献が大切なのは同感。
今では外を回れが正しい助言である。
確かに情報化社会が進んでいると、文章を読んで分かった気になる事が本当に多いと思う。言い換えるなら「机上の空論」で終わる事が多いというか。なので、積極的に現場に出ることが今の時代に必要な気がするね。
報告と手続きのすべてを定期的に検討する必要がある。五年に一度は、すべての書式を見直さなければならない。
すべての書式、というのが良いよね。報告、手続きは確かに陳腐化するし、必要じゃ無くなる事が多いので、きちんと見直しを行う事が必要な気がする。
いかにして変化に対する抵抗を除去するかではなく、いかにして変化を当然と受け止め、それを機会に転じる風土を醸成するか、である。
確かに抵抗を除去するのは難しい。いわゆる抵抗勢力ってのはどこの世界にもいるわけで。ただ、変化するのが当たり前、という風土をどうやって醸成するのか?というのを知りたいな、とか思った。
マネジメントにとって、予期せぬ成功を認めることは容易ではない。勇気が要る。加えて、現実を直視する姿勢と、間違っていたと素直に認めるだけの謙虚さが要る。
予期せぬ成功というのは本当にある。(もちろん、予期せぬ失敗も、ね)元々持っていたモノサシを捨てて、現実にあったモノサシを使えるようになれば、次の成功も掴みやすくなるんだろうな、と思う。
リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である。
シンプルかつ強固なルールだよなーと思う。誰もが納得出来る目標をきちんと定め、どの問題から手を付けるか?を決め、何をしたら評価されるか?という基準を決めるのはものすごく重要だと思う。そしてそれを維持管理するのも組織を維持する上で必要不可欠だと思う。維持が一番大切だと思うな。
リーダーシップとは、神秘的なものではない。平凡で退屈なものである。その真髄は行動にある。
確かにやるべき事をきちんと精査して、愚直に実行するというのは平凡で退屈。そしてそれを繰り返し実行することこそが、リーダーシップなんだろうな。
意志決定においては、何が正しいかを考えなければならない。やがて妥協が必要になるからこそ、誰が正しいか、何が受け入れやすいかからスタートしてはならない。
確かに妥協からスタートしてしまうと、摩擦は無いのかも知れないけれども、軸はぶれてくる気がする。
自ら出かけて確かめるということは、決定の前提が有効か、それとも陳腐化していて、問題そのものを再検討する必要があるかどうかを知るための、唯一ではなくても最善の方法である。
現場を見ないで考えてしまうと、とかくずれてしまうのは同意。頭で考えるよりも、体感することで得られる情報は沢山あるからね。
価格設定の唯一の健全な方法は、市場が快く支払ってくれる価格からスタートすることである。そのうえで製品を設計する。
原価の積み上げで価格を決める、という時代は終わっていくんだろうなーとか思う。iPhoneアプリの価格を見ていると、安すぎてビックリすることが多いけれども、確かに市場が快く受け入れてくれない価格だと、失敗しちゃうんだろうな、と思う。
成長には廃棄が必要である。製品、工程、流通チャネルを不断に見直し、自らを陳腐化させていかなければならない。
あらゆる事を陳腐化していく必要があるのは同意だな。平凡化・均質化と言い換えても良いかも。誰でも出来る体制にしていくのが大切なんだろうな、と思う。
組織づくりの最悪の間違いは、絵に描いたモデルを生きた組織に機械的にあてはめるところから生じる。
これは本当にそのとおりだなと思う。組織作りだけじゃなくて、規程類の作成や評価体系の策定にも同じ事が言えると思う。
自らの強みに焦点を合わせ、強みでないことは他者に任せなさい。
自分が何でも出来る、とか思っているよりも、自分が得意じゃないことは他人に任せちゃうと言うのは本当に正解だと思う。みんなが得意な事をやっていた方が、組織としてより大きな成果を生むと思うから。
階層の一つひとつが意志決定を遅らせる。情報量は情報の中継点、つまり階層の数が一つ増えるごとに半減し、雑音は倍になる。
階層が有ることで、情報がねじ曲がったり、途中で意図が変わったりすることは良く有る。昔ながらのトップダウンの組織だと、これからの時代には生き残れないよなーとかちょっと思った。
人事は社内だけで行ってはならない。これは原則である。マネジメントには外の血を入れることが必要である。それは独善や社会からの遊離を防ぐために必要である。
社内だけで行っている人事を繰り返すと、どんどん血が澱んでいく気がするね。良くも悪くも外部の血が必要だというのは、そういう理由だと思う。
自ら未来をつくることにはリスクが伴う。しかし、自ら未来をつくろうとしないほうがリスクは大きい。
これは本当にそのとおりだよなーと思う。自ら日々血を流して行かないと、将来的に大けがすることって本当に多いと思うから。
重要な科目ほど経験を積んだ後の方が学びやすい。しかも、それらの科目の多くは、まさに経験を積んだ者が必要とする知識である。
学校→社会→学校→社会 みたいなサイクルが必要なんだろうなーと思う。日本社会は良くも悪くも会社に入ってから学校に戻る、というのはやりにくいので、自分で勉強するのが一番の早道なんだろうな、と思う。
・われわれが必要としているものは、成果をあげる政府である。
・今後あらゆる国において、政府支出に向けることのできる金はますます少なくなっていく。その結果、ばらまき的な歳出を制御することにますます関心が集まっていく。その必要性についてはもはや疑う者はいない。
・公的機関に欠けているものは、成果であって効率ではない。
これも本当にそのとおりだな、と思う。
効率を求めるが故に、何をアウトプットするのか?というのがおろそかになっている気がする。何をなすべきか?というのは公的機関だけが求められるものではなくて、民間でも同じだと思う。
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
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