世界樹の迷宮
昔書いた文章を見つけて読むと面白いよね。昔の自分の思考やら感情が封じ込められているので、そのときの事をありありと思い出します。
さて「世界樹の迷宮」を遊んだ後に書いたメモを見つけたので、軽く推敲してアップしてみます。ちょっと内容的に古いですが、考えていたことは当時と変わらないと思ってます。面白いゲームだったな−、ほんと。
あ、もちろん、以下の文章は大小のネタバレは含みますので読まれる方はご注意くださいね。
世界樹の迷宮とは
久しぶりに遊んだWIZライクの3DダンジョンRPGでした。ゲームをサルのように遊ぶ感覚を久しぶりに思い出して楽しかった。ゲームの濃いエッセンスのみを、ほぼストレスなしに楽しませてもらった感じといえば良いかな。2も出るとの事なので、自分が遊んでいて楽しかった部分を、あらためて思い出してみようかと思います。*1
世界樹というゲームを肴にしてみんなで語り合うことが、ゲームデザイナーの新納さんが望んでいる事でもあると思うので自分が感じたことを文章にまとめてみます。ちなみに私は本編のみクリアで、エキストラダンジョンは未クリアです。*2
さて以下は、ゲームデザイナーの新納さんが話したインタビューの抜粋です。
これまでに発売された3DのダンジョンRPGに、
売れていない理由があったとも思うんです。
この現状を僕なりに分析してみまして、
この「売れていない要素」というのをできる限り取り払ったのが
『世界樹の迷宮』なんです
最近のゲームが面白くない理由の一つとして、ゲームを足し算で作っている事があると思う。要は面白い要素をどんどん加えていけば、面白いゲームになると考えているみたいな感じ。要らない部分をそぎ落とす過程で、何がゲームとして面白いのか?を浮かび上がらせ、その面白い要素を、とぎすましたのが世界樹の迷宮というゲームの本質だと思う。
では、本作「世界樹の迷宮」で、従来のゲームから「そぎ落とした要素」を箇条書きにしてみる。
そぎ落とした要素
・過度なチュートリアル
・過剰な戦闘演出
・多段階階層のメニュー
・不必要に多いモンスターの種類
・後半の固い(もしくはHPが多い)だけのボス
・新規キャラ作成時のポイント振り分け
・中間職(魔法剣士みたいな)
・転職
・引退による大幅強化
・過剰なストーリー
・昼夜にまつわる過度なイベント
・罠や宝箱のトラップ(シーフの排除)
・アクション要素
・ミニゲーム
・ボイス
・ムービー
・レベルの青天井(70で打ちきり)
・ルート分け(善ルート、悪ルートなど)
・ネット要素
などなど。
で、残した要素は、以下の通り
重要な要素
・9種類の職業
・スキルを使ったバトル
・高速移動、高速戦闘
・ミニクエスト
・F.O.E.(ダンジョン内を徘徊する中ボス)
・5階を1セットとした階層ダンジョン
・1本道のシナリオ&階層のみというシンプルさ
・60fpsのスクロール
あと忘れてはいけない、このゲームならではの、重要な要素として「タッチペンを利用した手書きマップ」があります。開発中から賛否両論があったみたいですが、個人的にはマップを書くのが楽しすぎました。方眼紙とか使っていた時代をなにげに思い出した。昔ってマッピングって全部紙だったよなーと。
あと、世界樹の迷宮は、ゲームの不要な要素をそぎ落としたけれども、遊びやすさはとことん追求するという姿勢が見えて非常に好感が持てました。個人的に感じた遊びやすい要素は以下のとおり。
遊びやすくする要素
・階層毎にワープが設定してある
・いつでもダンジョン脱出可能(アリアドネの糸)*4
・フロア内のショートカット
・使うのが難しい上級職(ブシドー、カースメーカー)の後半投入
・ゲーム起動時間短縮(ミドルウェアを使わない)*5
・特定スキルの強化(医療防御)
・全滅してもMAPは残る
・後半になると楽になるバランス
個人的な雑感
マップを書いている時に、FOEが後ろからどんどん迫ってきて、端に追い詰められたときは、「なんじゃ!このゲームは!!!」と、絶叫した生々しい記憶があります。*6
当然そのあと全滅し、MAPのみ残りました。全滅時にMAPが残るのはファミ通の方の指摘らしいですが、大変良い仕様です。あとFOEが超強力なのが非常に良いです。アレに追い立てられるゾクゾク感がたまりません。また、強くなった後に倒したときも嬉しいんだよね。
そうそう、ほぼ動かないFOEもいて、たとえは古いですがブラックオニキスのクラーケン*7を思い出しました。印象的なボスというのは、時代を超えて記憶の中に生き続けるな、とそんなことを思ったりしました。
またFOEの中で、倒しても倒しても増えてくる奴がいるのが、非常にやっかいでした。でも、倒し方を考えるのが楽しかったなー
またイラストレーターの日向さんが偶然にもダンジョンゲーム好きらしい。良い意味で運命的な出会い(シンクロニシティ)を感じます。
あと特筆すべきは音楽が古代さん。PC88で音源を作って、DS用にアレンジ。具体的にはFM音源で音を作り、PCM音源で厚みをだしたらしい。ポッドキャストによると、ソーサリアンとかイースの音源ライブラリを使っているとの事。FM音源というだけで、オールドゲーマーのスイッチが入るのに、ソーサリアンと、イースの音源とは!まさに「おっさんホイホイ」ですね。
FM音源を生かした、街やダンジョンの音楽が非常に良いですね〜古代さんの音を聞くだけで、体が共鳴します。音楽を聴いているだけで気持ちが良いというのは凄く大切です。*8
また序盤のイベントで、毒を食らいパーティ全滅したのも良い思い出です。元ネタがゲームブックのソーサリーだとは気がつかなかった。あとかなりネタバレ気味ですが、下に潜るとアノ街が!あれは本当に驚愕しました。*9さすがアトラス。
総監督の新納さんが抜けてしまったので、2の出来が正直心配ですが、1のスタッフは殆ど残っているみたいなので、良い作品になることを期待します!*10
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*1:いや、今思い返しても本当に楽しかった。この時代に、このゲームが出た奇跡を未だに感じます。
*2:世界樹シリーズは今まで一つもエキストラダンジョンクリアしてないです。なんか本編終了すると燃え尽きるんだよね。なんでだろ?
*3:現在、このページが見つかりませんでした。ごめんなさい。。。
*4:よって、チマチマと遊べる。
*5:ライセンスロゴを表示する時間を排除
*6:もちろん良い意味で。
*7:出会った瞬間にパーティーを全滅するくらい強い中ボス
*8:単にオヤジの懐古趣味かも知れませんけどね
*9:お金の単位も腑に落ちました。
*10:と、期待してた2が期待通りでは無かったのは、別エントリで語ってますので、興味がある方は下記リンクからどうぞ