ワクワク人生のススメ!

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ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)

箇条書き風感想

・バチスタシリーズ(白鳥・田口シリーズ)第2作。
・今作も最後まで楽しめた良い小説でした。


・田口さんの良い人ぶりは変わらず
・看護婦と医者の描写がとにかくうまい。
・人間操作の妙が随所に現れていて感心する。
 看護師の藤原さんと猫田さんが人を動かす手腕がとにかく凄い。
 高階病院長の老獪さも相変わらず。


・ただ前作、チーム・バチスタの栄光よりはインパクトが少ない
 ミステリ成分が少ないというか、SF成分が多いというか。
・前作は、とにかく真相が最後まで分からなかった所、
 上巻と下巻の色分けの見事さ、最後の余韻の美しさで、
 文句の付け所が無い作品だった。
・けど、今作は、小説としては非常に面白く、最後まで飽きずに読めたけど、
 ミステリとしては前作の方が面白かったなぁ、という印象。

総評

総じてミステリとしてはあっさり味だし、
SFとして読んでも、食い足りないんだけど、
病院小説というカテゴリに入れ替えた瞬間、
この物語はものすごい輝きを示してくれる。


自分のシフトをかたくなに守るあまり医師としての本分をまっとうしきれない女医とか、
知らず知らず人を動かしてしまう看護師とか、
MRIという機械を操る髭医師とか、
とにかく人が良くて、どんどんと使われてしまう医師とか、
人間くさい医者が次々と現れる。


ミステリやSFとして楽しむのもアリだけど、
むしろ病院に勤める人々の葛藤を楽しむ小説かなぁ、なんて思った。


次作「ジェネラルルージュの凱旋」は相当面白いらしいので、
期待しつつ、期待値を上げすぎないで物語を楽しみたいな、と思う。


以下ネタバレで

ネタバレ風の雑記

・歌声が映像になるのが、世の中で議論になったらしいですが個人的には全然あり。
・白鳥の暴れ方が少なかった。もうちょっと暴れても個人的にはOK。
・加納のキャラも、もうちょっと濃くても良かった。
・歌を歌う2人は共に魅力的。残った一人は今後、どんな歌を奏でるのかな?
・アツシくんと瑞人くんの手術に対する姿勢(勇気)に心が打たれた。
・「ラプソディ」を聞いてみたいな。


全然、ネタバレじゃないっすね(笑)


ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)