ワクワク人生のススメ!

自分がワクワクすることを沢山書く事で、人生を楽しくしたいな、と思ってます。

笑っちゃうくらい天真爛漫な派遣さんの話

ちょっとだけ昔の話をしようか。*1


ウチの会社に事務職の派遣さんがいた。派遣さんというとペルソナが無いみたいなので、仮に大江さんとしておこうか。*2


大江さんの初対面の印象は人なつこい笑顔をする可愛い子、という感じだった。電話応対もまともだし、なにより仕事に対する姿勢がひたむき、性格も穏やかと、無難な派遣さんだな、というのが第一印象でありました。


ただ、話しているとなんか、依存的な印象が否めなかった。自立していないというか、良くも悪くもお嬢さん的なイメージがあるというか。まーともかく、派遣さんであるし、正社員としての仕事を望んじゃダメだけど、地道に仕事をしてくれればいいや、というのがオイラの気持ではありました。


で、まぁ、お菓子買ってきて渡してあげるとか、彼女がお菓子買ってきて分けもらったりとか、にこやかなお菓子のやり取りをしたりして、楽しく仕事をしていたわけですよ。しばらくは。ただ、だんだんと仕事が滞ってきた。こちらが頼んだ仕事が戻ってこないというか。それも半端無い感じで。


たとえば、
郵便物を出してくれと頼むと、送らない。引き出しに入れっぱなし。
・書類のファイリングを頼むと、何時までもファイルしない
・経費の精算書を作ってもらうと、合計数値が違う。
・書類の捺印欄に、自分のハンコを押さない
・PCのフォルダ位置が覚えられない。
・連絡先の電話番号、FAX番号を忘れる。毎回オイラに聞く。
・電話を受けていても、伝言メモを置かない。受けたことすら忘れる。
郵便物を溜め込んで、ある日突然渡す。(1ヶ月前のものとか)
・預かった現金を渡さず、引き出しに入れっぱなしにする。
・必要な書類をゴミ箱に捨てる!
等々*3


まー徐々にミスをフォローするのがオイラの仕事みたいな感じになってしまい、そのうち人間関係が悪化するという良く有る展開に。


あまりにたまりかねて、上司に大江さんのミスの件を相談するだけれども、上司が良い反応をしない。どうやら「オイラの管理能力」をいぶかしがっている節がある。いや、こんなにスペクタクルな派遣さんは管理できないっすよ。と、思いながらもだましだまし仕事を続ける。


そのうち、上司がオイラの管理能力を疑っていたのではなくて、大江さんが「オイラが悪い」と上司に訴えていたという事実が判明した。加えて、同僚にも同じ勢いで言いふらしていた。その事実に気がついた時は正直愕然としたけど、逆を考えると彼女自身の生存本能が120%発動していたんだろうな、とも思う。


大江さんはコミュニケーション力が半端ではないのだ。彼女の特性と言っても良い。多分、接客業をすれば最高の才能だと思う。それは疑う余地が無い。たとえば、受付、飲食店、アパレルなどなど。


ただ、事務仕事には絶望的にむかない。3回生まれ変わっても無理なレベル。


もうとにかくビックリするくらい忘れる。今朝頼んだことを夕方に忘れる。そして自分が忘れたと言うことを理解しない。いや、理解しないというんじゃないな、責められたくないので「自分は忘れていない、指示されていないのだ」と思い込んじゃうというか。


で、忘れたことを不承不承納得させても反省しないし、次回も同じミスをする。最後には「忘れちゃう私、かわいい」となるのだ。もうビックリするくらいの自己愛の深さというか。ほんとスペクタクルすぎる。ここは小説の世界か?映画の世界か?と思わんばかりの。


しかし、こうして振り返ってみても本当に最後まで仕事を覚えなかったな〜という印象ばかりが残るな。断片的には覚えているんだけれども、肝心な事を忘れるというか。


ともあれ人間の多様性というか、人間の幸せって何だろうな?というのを考える時に、ふと彼女の事を思い出す。ああいう人生も幸せなんじゃないかなって。もちろん、オイラは逆立ちしてもあんな人生は歩めないし、歩みたいとも思わないのですけれども。

*1:ノンフィクションのようなフィクションのような、ノンフィクションなんだけどフィクションだと思いたい話。

*2:大江アナに似ている訳でも何でも無いけども、あんな感じのイメージはある。

*3:各エピソードについて一つエントリが書けるくらいな勢い。需要があれば書きますよ。