世界樹の迷宮4のコンセプトについて
- 出版社/メーカー: アトラス
- 発売日: 2012/07/05
- メディア: Video Game
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オイラが書いた世界樹の迷宮4(以下世界樹4)の感想について、とあるコメントがついていました。そのコメントを読んで不思議と感情が動いたのでコメントに対するエントリを書いてみます。普段は、コメントに対するカウンターエントリなんて書かないのですが、ちょっと面白いのでやってみます。
ただ、今回のエントリについては、世界樹4の若干のネタバレは混じりますので、未プレイの方はご注意を。あと、どうしても過去作にも言及します。過去作のネタバレは極力しないようには配慮はしますが、どうしてもネタを割る場面が出てくるので、ネタバレ無く楽しみたい!という方は、オイラのつたない文章など読む前に、世界樹シリーズを是非是非楽しんでみてください。
エントリに関するコメントについて
私が書いたエントリ「世界樹の迷宮4を20時間くらい遊んだ感想を書いてみる。」についたコメントを全文引用します。
「説明おかしい」さんより。*1
海、気球は絶対いるよ
まぁ勝手に思い込むのは自由だからいいけど
3DSの世界樹の迷宮3の社長に訊くを見なさいな
このコメントだけで何を指摘したいのか?が正直つかみかねてます。抽象的すぎる指摘というか。具体的に指摘いただいた方が議論も深まるし、その方が面白いので具体的に「海、気球は絶対にいるよ」と思った理由を聞かせて欲しいと思ったりしました。
ちなみに、オイラは世界樹4に対する「社長が訊く」は上記エントリを書く前に既読でした。そして自分が書いた文章と社長が訊くの文章の間に違和感は感じていませんでした。なので、改めて世界樹4に対する「社長が訊く」を読み直してみて、当該コメントの意図を推察してみました。もちろん言うまでも無いですが、これはオイラの憶測でありますので、コメント者の意図と反している場合もあります。あらかじめご了承ください。
まぁ、あとこれも書くまでも無いんだけど、抽象度が高いコメントを書く人に対して、こういう反論をすると「私の言いたいことはそうでは無いです」と言ったりして、別な抽象論をふっかけられて水掛け論になることが本当に多いです。なので、もし何か抽象的なコメントが付いたとしたら、これ以上何かを語るつもりはありません。あらかじめご了承ください。もちろん、具体的なコメントが付いて「オイラがこれ以上の話をするのが面白い」と感じたのなら何かのエントリを書くかも知れません。*2
コメントが提起する問題の中身について(オイラの推察)
ニンテンドー3DS|社長が訊く『ニンテンドー3DS』ソフトメーカークリエーター 篇
社長が訊くを再読しましたが、フィールドがある必要性は、
・旅がコンセプトである
・すれ違い通信でカードを得て秘宝を見つけることが出来る
という2点に集約されると思う。
旅感覚を持たせたいからフィールドがある、すれ違い通信を生かしたいからフィールドがある、というのよく分かるんだけど、この二つの要素がゲーム性に大きく寄与しているというと、ちょっと違う気がしている。*3
あと、社長が訊くを改めて読み直してみて、世界樹の生みの親である新納さんがいないのが寂しいなと改めて思ったりしました。それと同時に、世界樹4は新納さんの当初コンセプトからは結構離れており、オイラは新納さんが目指していたソリッドな世界樹が好きだったんだな、とういのがよく分かった。
もちろん、同じ事ばかりやっているとマンネリになるのでフィールドを追加した事は英断だと思うし、3に比べて4のフィールドの使い方は遙かに良くなっているとは思うんだけど、オイラ的にはやっぱり必要ないかな、と改めて思ったりもしました。
フィールドマップの是非について
遠い昔に、世界樹の迷宮について、オイラが書いた文章がアップしてあります。お時間がある方は併読いただけると幸い。
世界樹の迷宮
簡単にまとめると、世界樹のメインコンセプトは「コンパクトに」ということであり、余分な要素を切り落としてシンプルなゲームを作る、というところにあります。そのコンセプトとフィールドマップの存在が、「個人的には」矛盾している、と感じているわけです。*4
個人的にフィールドマップに違和感を感じるのは、「ゲームとしての楽しさが薄い」という事。もちろん、楽しさが薄いとしても、ゲームとしての新規性が必要である、という話はあるけど、オイラとして「なんかフィールドマップはゲーム性を損なっている」と思ってしまうのです。フィールドマップに時間を使うのならば、ダンジョンに専念したいな、と思うわけです。
世界樹4については、フィールドマップが4枚あり、かつ高度が3種類あるので、結果としてフィールドマップが12枚ある計算になります。これ、単純に多いとも思いますし、マッピングするのが正直面倒、と感じてしまうのです。
ただフィールドマップ自体にゲームとしての濃い密度が入ってくるのならば歓迎です。個人的にこういうフィールドマップがあるのならば良いな、という代替案を後述しましたので、興味がある方はお読みください。ともあれ、オイラはフィールドマップで新規性を出すよりは、他の部分で新規性を出した方がゲームがコンパクトで締まった感じになるなーと思っています。
また、世界樹4は前作世界樹3と比較して、フィールドマップが非常に良くなってます。
・小規模ダンジョンの入り口的要素
・メインダンジョンの入り口が複数になった
・フィールドでお金稼ぎができるようになった*5
上記改善によりフィールドマップの必然性が高まった部分もあるかと思います。ただ、オイラはそれでも「新規性を得ようとするために、フィールドマップにこだわる必要はないんじゃないかな?」と感じています。繰り返しになりますが、「現状のフィールドマップはゲームとしての密度が薄いです。」
仮にオイラがフィールドマップを作るとするなら、以下のようなものを考えます。
密度が濃いフィールドマップの例示
・フィールドマップ数を減らす
ダンジョンとフィールドマップを1:1にする必要はなく、フィールドは1つ(もしくは2つ)でも良いと思う。1つのマップにサブダンジョン10、メインダンジョンが4つを入れ込むくらいで。フィールドマップは少ないが新規性を出すためには、季節に応じて変更するという案が面白いと思う。メインダンジョンをクリアするたびに、世界樹の力が増えていき、季節が巡る。春でスタート、夏は世界樹の成長で新たなダンジョンが追加、秋は落葉でダンジョン発見、冬は世界樹が朽ち落ちた根の部分に突入(等々)
また、季節が変わる以外のアイデアとしては
・フィールドマップは2つ。2つの王国があるイメージ。ダンジョンをクリアするたびに交易が進み、お互いが発展する。
・フィールドマップ内にあるダンジョンをクリアすると、さらに狭い別のフィールドに出る。(無人島、火山地帯等々)
・ゲーム中盤で異常気象により地殻変動が起こる(火山が噴火、隕石が落ちてくる、氷河期になる等々)
→いずれも、新しい種族や職業が登場できるチャンスにもなる。
・フィールドマップとダンジョンが大きく連動するしかけ
フィールドマップ以外の新規性
新規性を出す方向性として、「フィールドマップ自体を不要にする」という考え方ももちろんあります。フィールドマップを使わない場合は以下のアイデアがあります。
FOEにおける新規性
・ダンジョン内に2×2のFOE
・ダンジョン全体がFOE
・見えないFOEが足跡を残す
・表裏一体のFOE。複数匹が連動してパーティーを追い詰める
・順番どおり倒さないと先のマップに進めない複数FOE
・倒せば倒すほど進化するFOE
・突然変異FOE(普段のFOEは使わない技を使う等)
感想
世界樹4に対する「社長が訊く」を改めて読み直すことで、新たな発見ができたので面白いな、と個人的には思いました。あと、自分の中で思った以上に感情が揺れたのが改めて考えても不思議だなーと思ったり。ともあれ、結果的に個人的には面白いエントリが書けたのでよかったなーと今は思っています。
あと新しいフィールドマップのアイデアとかダンジョンのアイデアの話を書いていて、「これ、全部入れると世界樹とは別ゲームになるな」とも思ったのも事実なので、全部を入れれば良いという話ではないです。そのことは念のため書き記しておきます。
余談
ちなみにオイラは「社長が訊く」については、当エントリアップ時に公開されている分は全部読んでます。読みものとして非常に面白いので未読の方は世界樹以外の記事も是非オススメします。もちろん記事を読んでいるからといって、論旨を全て読み込めてるという訳ではないですけどね。加えて自分が持ってない(買う予定の無い)ゲームについても読むといろんな発見があるので本当に面白いです。ただ、社長が訊くを読むと、ゲームに対して興味が増えるが故に、ゲームがたくさん欲しくなっちゃう罠に陥るので諸刃の剣ですけれども。
余談2
今、新・世界樹の迷宮(1のリメイク)を遊んでいるんですが、フィールドマップがなくソリッドな世界樹で非常に楽しいです。ああ、オイラが遊びたかった世界樹ってこれだよなーと改めて思ったりしてます。また新・世界樹については別エントリで書きたいな、と思います。
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- 発売日: 2013/06/27
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