ザ・シネマハスラー
- 作者: 宇多丸,TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」
- 出版社/メーカー: 白夜書房
- 発売日: 2010/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」というラジオ番組をポッドキャストで聴いてる。
その中に「シネマハスラー」というコーナーがある。毎週6つの映画を選び、翌週見に行く映画をサイコロで決める。(ここ重要)その後、映画を見た感想や批評を30分くらい語り尽くす、という構成なんだけど、パーソナリティの宇多丸さんの深い映画知識に根ざした映画批評がとにかく面白い。毎週楽しみにして聞いている番組の1つですね。
宇多丸さんが語る独特の映画批評は、個人的に共感することもあれば、共感出来ないこともあったりする。ただ、総じて映画愛に包まれている批評になっていて聞いていて本当に楽しいです。批評している映画を見たくなると言うか。*1ある意味、宇多丸さんの芸の1つという感じもしている。ここまで映画について語れる人はそうそういないと思う。*2
さて、ある日、ネットで「シネマハスラー」という単語で検索してみたところ、上記番組を編集して単行本にした「ザ・シネマハスラー」という本が出ていることに気がついた。早速買って読んでみたんだけど、これがすごぶる面白かった。ラジオに比べると情報量は減っている気がするけれども、本の方が簡潔になっている分、より映画のポイントが掴めて面白いというか。
本を読んで見たいなーと思った映画も数多くあって、それは本当にこの本を読んで良かったと思ったんだけど、ただ、この本で宇多丸さんの味がでるのが「悪い映画を批評するとき」なんだよね。なんというか、よくもまぁ、ここまで分析して冷静に罵倒できるなぁ、と感心しきりです。そして読んでいても「あまりに酷評が過ぎる」ので突き抜けて逆にすがすがしい感じになっているのがすごい。
本を読んでいると酷評されている映画が多い*3んだけど、裏を返すと宇多丸さんのお眼鏡にかなう映画ってのは中々少ないんだろうなとか思った。お気に入りポイントとしては、「しゃべりすぎないこと、音楽とかカット割りの演出がうまいこと、脚本が良く出来ていること、ストーリー展開に無駄が無いこと、きちんと脚本にあったキャストが設定されていること、脚本に合った尺であること、成長が描かれていること」等々なんだろうな、と感じた。
ともあれ、ポッドキャストで聞くのも面白いけれども、こうしてまとまった形で読めるのは本当にいいなーと思った。続編も読みたいなーと思ったりもしました。こうやって文章化するのは本当に大変かとは思いますが、是非是非続編もよろしくお願いします!
今後も、良い映画をたくさん見ることで、良い人生を過ごしたいな。