ハドソンとはなんだったのか?
ハドソンが消滅するという。
ニュースを聞いた瞬間に、ハドソンについて何かを語りたいと思ったのだが、宙に浮いた言葉を掴むことができなかった。ようやく落ち着いて来て、言葉を掴めそうな気がするので、ちょっと文章を書いてみる。
正直な気持ちを書くのであれば、今のハドソンが消滅することに対して特に大きな感慨があるわけでもない。栄枯盛衰やら諸行無常を感じるのみである。
ただ、過去のハドソンは間違いなく日本のゲーム史上に大きな爪痕を残したメーカーであった。古くはパソコンゲームの世界から存在感を存分に発揮し、NECとの共同開発でPCエンジンという稀代のゲーム機を開発したのも記憶に新しい。*1
ハドソンが切り開いてきた地平は広い。初期のアドベンチャー3部作(デゼニランド、サラダの国のトマト姫、デゼニワールド)は日本におけるアドベンチャーゲームというブランドを築いた大きな存在でもあった。PCエンジンのHuカードはファミコンカセットからの脱却で、未だに現行の携帯ゲーム機にその思想が受け継がれているのは瞠目に値する。Vitaまでもがゲームの媒体としてカードタイプを選択しているというのも、カードタイプの優位性を証明していると思う。
そしてCD−ROMという媒体に命を吹き込んだのも間違いなくハドソン。なんと言っても天外魔境2。オイラの中でも生涯ベスト3に入るロールプレイングゲーム。*2天外魔境2がオイラの人生観を構築したと言っても過言ではない。生涯で4周は間違いなくクリアしてるくらい好き。壮大な世界観、雄大な音楽、練り込まれたストーリー、卓越したゲームデザイン、そしてゲームから声が流れてきた衝撃は未だに忘れられない。思い出補正もあるとしても、このゲームを超えるゲームはないと未だに思っています。もちろん、イース1.2の驚愕な移植は未だにその衝撃を忘れないものでありました。
あとは、ボンバーマンやら桃太郎電鉄やらネクタリスに吸われた人生の時間に思いを馳せたりしますが、非常に充実した時間を過ごせたなーという思いで一杯であります。
ということで、ハドソンというメーカーは、過去の功績という意味のは非常に大きいと感じるものの、現在は「コナミに吸収されて、高橋名人が去り、未だに桃鉄を作ってるメーカー」くらいのイメージしかなかったので、消滅するという事実に対して惜しいと感じることはない、という事は改めて思った。消滅に際して、過去の狂気のハドソンを思い出して懐かしむのみ。
ともあれ、ゲームの本質というのは「刺激」だと思う。ゲームの中に「刺激」という名の新機軸を入れられるかどうか?にメーカーとしての存在意義があると言える。ゲームという肉体に刺激という魂を宿せなくなったメーカーは静かに退場するしか無いんだろうな。
- 出版社/メーカー: ハドソン
- 発売日: 2011/12/08
- メディア: Video Game
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (6件) を見る