6時間後に君は死ぬ
- 作者: 高野和明
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/05/14
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
個人的には読んで大正解の本でした。「運命」ってなんだろうな?というのを深く考えさせられる作品でした。善を貫いてもうまく行かない、ただ善を貫くことで絶望はするかも知れないけれども、自分らしく生きる事ができる、というようなメッセージを受け取った。
なんだろうなー自分を裏切らない人間の強さみたいなのを作品の奥底から感じた。
表題作を含めた連作短編なので、非常にサクサクと読めるし、読み始めたら読む手が止まらなくなること請け合い。
・6時間後にあなたは死ぬ
・時の魔法使い
・恋をしてはいけない日
・ドールハウスのダンサー
・3時間後に僕は死ぬ
の5本。
最初の話と最後の話が対になっている構造なんだけど、個人的にはどの短編集も心に届いた。
ネットで感想を眺めていると賛否両論あるみたいですが、オイラの琴線には相当響いたなー
面白い小説ない?って言われたら今、真っ先にオススメしたい本ですね。
短編集の個別の感想はネタバレなのでたたみます。
6時間後にあなたは死ぬ
6時間後に死ぬと予言されて、本当に予言どおり死んでしまうのか?を固唾を呑んで見守りつつ読み進むも、展開は意外な方向へ....運命は人の力で変えられるのか?を深く問う作品でした。こういう真っ直ぐな作品は好きだな−なんて思ったりもした。
時の魔法使い
20年前の自分と出会う話なんだけど、なんか非常に心温まるストーリーなんだよなー過去を変えられる機会を与えられながらも、その過去を変えようとしない主人公の力図良さに惚れた。なんか、どんな人生を経てきたとしても、その人生は無駄じゃないんだよな、と思わせる作品でした。主人公の少女のセリフにも心を打たれた。「私、こんなに優しい人になるんだ」とか号泣ものでしたよ。ほんと。
恋をしてはいけない日
これまたすごい構造の作品。まさかそういうオチになるとは想像もしなかった。主人公が選択する道、そして自分が選んだ道だからこそ、自分が責任を取らなきゃいけないんだよな、と改めて考えさせられた。でも、人間って自分の間違いからしか成長できないんだよな。ほんと。
ドールハウスのダンサー
主人公の選択した道が愚直で正しいんだけど、本当に正しかったのかな?というのを深く考えさせられた。あのままライバルを蹴落としても良かったんじゃないかな?と思いながらも、蹴落とせなかった主人公の選択になんか心を打たれた。そして、ドールハウスの作者の温かい心に泣けた。
3時間後に僕は死ぬ
6時間後に君は死ぬ、の裏返しストーリー。最後まで「運命」に翻弄されつづける主人公たち。でも、その「運命」に抗う姿が素敵だし、最後の展開も見事だなーなんて思った。
1作目と5作目が連作ドラマになっているみたいなので、そちらも見てみたいな。
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2009/03/04
- メディア: DVD
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (7件) を見る