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リンカーンライムシリーズを読まずして推理小説を語る事なかれ

何か面白い推理小説無い?って聞かれると必ずオススメしているのがジェフリーディーヴァのリンカーンライムシリーズ。海外ミステリに抵抗がないのなら読んで損無し。というか推理小説好きなのに、このシリーズ読んでないなんて確実に人生を損していると思う。


主人公のリンカーンライムは事故で首の上と左手の薬指しか動かせない、文字通りのアームチェアディテクティブ(安楽椅子探偵)。椅子に座ったまま、犯行現場に落ちている微細証拠を元に、PCや各種計器を使い、現場に残された手がかりを残らず壁に書き付け、犯人を徐々に追い詰めていく。


5ページ先の展開がまったく予想ができず、何回もひっくり返される物語。絶対だまされないぞ、と思って読み進めていても自分の予想を遙かに上回る展開でだまされる快感。これこそがリンカーンライムシリーズの魅力かな、と思う。もちろん、ストーリーも面白くで、謎が謎を呼び、最後までグイグイと読ませてくれる作者の豪腕っぷりも素敵。


さてライムシリーズの感想をこのブログでさっぱり書いていなかったので、作品毎の寸評と順位をつけてみる。これはあくまでオイラの好みであるので、客観性は何も無いし、皆様の好みと同じとは限らないことをあらかじめ記述しておきます。


それとなるべくネタバレはしない様に文章は書いていますが、どうしても多少のネタバレにはなってしまうので、面白い推理小説が読みたい!と思う方は、オイラのつたない文章を読む前に、ボーンコレクターを読んでみてください。きっとライムシリーズの虜になると思うから。

ボーン・コレクター

ボーン・コレクター〈上〉 (文春文庫)

ボーン・コレクター〈上〉 (文春文庫)

 4位。リンカーンライムが初登場。冒頭に出てくるあまりに奇異な死体。そして死体が残した微細証拠を元に、ライムが徐々に犯人を追い詰めていく。アメリアサックス、ロン・セリットー、メル・クーパーなど非常に特徴があり、かつ魅力ある登場人物が次々と出てくて話に彩りを加え、ストーリー自体も本当に面白い。あとライムとサックスのやり取りが非常に魅力的でもあるし、徐々にお互いの精神が刺激し合う所が本当に良いんだよね。もちろん、ライムの超絶推理とジェットコースターな展開は本当に見事。1冊だけ読むなら間違いなくこれ。

コフィン・ダンサー

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)

 3位。ウォッチメイカーを読むまではライムシリーズで一番好きだった作品。前作で登場した魅力的な登場人物はそのままに、新たな犯人に挑む作品。個人的な推理小説遍歴の中で一番ビックリしたと言っても過言では無い作品。思わず「え?」と思わず声がでてしまったほど。これを読まずして、推理小説を語る事なかれ、とか思う。

エンプティー・チェア

エンプティー・チェア〈上〉 (文春文庫)

エンプティー・チェア〈上〉 (文春文庫)

 7位。思わぬ師弟対決に手に汗握るし、最後までノンストップで読めるし、ドンドンと話をひっくり返されるので、間違いなく面白い。ただ、やっぱり、ライムの対決相手としては、知能犯の方が良いな、という印象を受けた。決してつまらない作品ではないんだけど、シリーズの中では異色な作品であるなーと思う。

石の猿

石の猿〈上〉 (文春文庫)

石の猿〈上〉 (文春文庫)

 6位。これまた異色の作品。東洋人とタッグを組み、犯人に挑むライム。エンプティチェア同様、最後までグイグイと読めるし、面白い。ただこうして書いていても記憶に残る部分がそれほどない印象。風水など東洋っぽいテイストは好きだったんですけどね。

魔術師

魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)

魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)

 5位。タイトルの通り魅力的な魔術師が沢山出てくる。そろそろマンネリかな?と思った所にまたまた魅力的な犯人を出してきて本当に楽しめた。高値安定で面白い。あと魔術師カーラーの人間造詣が本当に魅力的。トリックうんぬんよりもストーリー展開やら人間ドラマで楽しませてくれる印象があった作品ですね。

12番目のカード

12番目のカード〈上〉 (文春文庫)

12番目のカード〈上〉 (文春文庫)

 8位。過去と現在の事件に同時にライムが挑むという意欲作。まーつまらなくはないんだけど、過去と現在の事件がもうちょっと融和した方が面白かったかな、という気がしている。ちょっと違うけど、QEDのシリーズを思い出した。もちろんライムの超絶推理は相変わらず冴えているし、登場人物達は魅力的なんだ最後まで楽しめる作品ではあるんだけれども。ただ最後のシーンは白眉。思わず涙した。シリーズファンは必読かと。

ウォッチメイカー

ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)

ウォッチメイカー〈上〉 (文春文庫)

 2位。そろそろ、ライムシリーズも高値安定シリーズになったけど、驚きが無いよな、とか思っていた時に、脳味噌をぶん殴られるくらい楽しめた作品。そうそうこういうのが読みたかったんですよディーヴァさん、とか思った。話の構造がとにかく見事。前評判がとにかく高かったので期待して読み始めるも、うーん評判の割りに面白くないよな〜とか思ってたら...という感じです。新たな登場人物であるキャサリンダンスも縦横無尽に活躍するし、これは本当に楽しめた。ソウルコレクター読むまでは文句なし1位でした。

ソウル・コレクター

ソウル・コレクター

ソウル・コレクター

 1位。いや、話の構成は断然ウォッチメイカーの方が面白いんだけど、なんというかストーリーが個人的なツボに入りました。シリーズ物の強みを生かして、作者がシリーズの登場人物の魅力を十二分に発揮させているというか。とにかくラストにかけてのライムの心の動きに本当にこちらも心を動かされた。ただ、そういうドラマ性よりも推理戦が楽しみたいという人には食い足りない感があるかなと思う。あと話の構成は単純なので、どんでん返しを期待していると肩すかしだし。まーどんでん返しがなくても、満足出来るストーリーだと思うけどね。読む手が止まらないし、本当に恐ろしい話ではあるので。

スリーピングドール(キャサリン・ダンス)

スリーピング・ドール

スリーピング・ドール

 番外。キャサリンダンスを主人公にしたスピンオフ作品。個人的な好みはボーンコレクターの下くらいかな?ただ非常に楽しめるし、ジェットコースターノベルとしては最高の部類に入ると思う。何それーってくらいひっくり返るし。ただ、個人的にダンスよりライムの方が好きなんだよな、というのを再認識した作品。


まとめ

やっぱ、書いていてこのシリーズ好きだなーというのが再認識出来たのと、話を結構忘れているので、自分自身がもう一度読み返したくなりました。そして上記感想を書き直したいなと思う。


ともあれ、まずはボーンコレクター読んでみてください。ボーンコレクター読んで面白い!と感じたのなら、コフィンダンサーまでは読んで損無し。


あとシリーズに極私的な順位をつけたわけですが、エンターテイメントとしては、どの巻も最高に楽しめるのは間違いないです。順位が低くても決してつまらないわけではないですから。読み始めると読む手が止まらなくなること請け合いですよ!


一人でも多くの人がこのシリーズを読んで楽しんでもらえれば嬉しいな。